[周囲を見渡していれば、薄暗い牢の中に何かが現れる。目立たない、錯覚かとさえも思う程に淡く薄い光のような……靄だろうか。咄嗟に警戒態勢を取ったのも一瞬。これは敵じゃない。そう察して、誰かが靄の中で呟いたような言葉を聞いて]……え?[真紅の瞳をまんまるく見開く。自分を閉じ込めている鉄格子がゆっくりと撓み始めたのだ。勿論誰の気配もしないし、見えているのは薄らとした靄だけ。唖然としながらもその様子を見つめ、新たな言葉>>92に誰なのかを問いかけようと――]
(95) 2014/08/18(Mon) 22時頃