― 商店街へ向かう途中 ―
[傘をさしていても陽の光は眩しくて。早速にも外に出てしまったことを後悔し始めていた。]
ひゃあああー、まっぶしいですねぇ。
ああ。ああ。焼けるようですぅ。焼け死にそうですぅ。
……これ下手したら召されちゃうんじゃないですか!?
召されちゃうんじゃないんですかぁ!?
[そんな事を繰り返し口にしながら屋敷の方へと踵を返そうとして一歩、もう一歩。不意に不死身がどうとか、畜共の声が聞こえて振り返る。
どうしてアイツらは――、]
やだやだ。
家畜はほんっと低脳なんですからぁ。
もー少し柔軟な思考を持ち合わせてくれればぁー、仲良く出来たかもしれないのにぃ。
[ぽつり、と呟いてわしわしと長い爪で頭を掻く。視線の先には亜人と思われる男性の姿がひとつ。もしかしたら、先程の家畜達の言葉が指してしたのは彼のことなのかもしれない。そう考えながら、地を蹴って彼の方へ駆け寄ろうとした――はずだった。]
(95) 2015/01/10(Sat) 04時頃