ー元旦・朝ー
[目を覚ますとそこは談話室ではなく、いつも寝ている布団の上だった。冷が運んでくれたのだろう。
ああ、迷惑をかけてしまった。と思いつつ隣で寝ている彼を起こさないようにそっと扉を開け、部屋を出た。
談話室への扉を開けると、何人かはあのまま寝てしまっていたようで炬燵に喰われていた。
起こさないようにそっと蜜柑を取りに行こうかと歩を進める途中、ガラス張りの窓が目に入る。
その向こうに昨日からずっと降り続いていた雪が積もっているのが見えた。
耐えきれず起こさないように、なんて考えていたことも忘れ、勢い良くそれを開けてウッドデッキに出た。
一面の白銀の世界、誰にも穢されていない白。
少女は自分でもよく分からないくらい興奮していた。]
はぁ…飛び込みたい…
[開けた扉を閉めず手を掛けたまま白い息を吐く。と、うっとりした表情でそう呟いた。]
(95) 2014/01/01(Wed) 16時頃