[幟乃はてっきり通じなかった物だと思い込みました。故に、青年から次に出た言葉には一瞬驚いた。]
それは……、どうも。
これをわたくしにくれるのか?
[綺麗だなんて何度も言われ慣れている筈なのに、何処かくすぐったくて幟乃は一瞬目を泳がせました。きっと、幟乃を名家の出身だと知らない彼に褒められたからなのでしょうか。
冷たい心に光が差すような、まるで花のようにふんわりとした青年です。
ガーベラを差し出されれば、幟乃は嬉しそうに首を傾げながら優しく掌で包み込もうとしたでしょう。]
常に前進も情熱的でまたよろしい、わたくしもその花言葉は好きだ。
赤いヒヤシンスか、大層美しいのだろうね。君に大切に育てられて咲いた花なんて、
――…"嫉妬"してまうよ。
[>>75幟乃は是非見ていこうとふっと笑ってその誘いに乗り、店内に入って行きます。もし、デルメルが来れば幟乃も挨拶をしたでしょう。]
(94) 2014/12/23(Tue) 23時頃