……桂一先輩。折角なので俺に第二ボタン、くださいな?
[卒業式の日。まだ残されてた先輩のそれを剥ぎ取ろうと胸元に両手掛けて上目遣いした記憶があります]
良いじゃないですか。
どうせ先輩、今彼女とか彼氏とか彼氏とかいないでしょ。
あげたい人もいないなら俺にください。
先輩の理不尽で傲慢な横暴に毎日調教されまして二年間。
これまでの俺の横暴処理係としての活躍に相応しい労働報酬を…
いだだだぎゃああごめんなしあ調子乗りました!!
[何故この時点で俺は、自覚せず、気付きもしなかったんでしょうか。
俺は本当にこの時、とりあえず何か先輩の物がほしいな、という感情から。
まず先に思いついたのが、たまたま、どうせ渡す相手もいなかろうとアタリをつけてた第二ボタンでした。
どうせ先輩も同じ風な受け取り方したのではないでしょうか]
(93) 2015/07/09(Thu) 05時半頃