わ、私、どうして駒鳥が殺されちゃったのかは、わからない。……でも、雀はきっと、殺したくて駒鳥を殺したんじゃないかなって、そう思うの。[長いこと言葉を探した末に、沈黙を破ったのはそんな言葉だった。困惑したまま、けれど労わるみたいにひなこを見つめて、一生懸命にたどたどしい言葉を紡ぐ]詩の中で、誰もコマドリを殺した雀を責めないの。最後にはすべての小鳥たちが、コマドリの死を悼んで悲しむの。それってきっと、雀もコマドリを愛していたからじゃない、かな。[そうじゃなければ、“全ての小鳥”なんてフレーズは挟まらない。そうして、だからこそ恵冬は、この詩の中に恐ろしさや気味悪さより、温かくも哀しい物語を読み取るのだ]
(93) 2015/06/22(Mon) 15時半頃