[続々と集まってくる館の招待客の顔を一つ一つ眺めていく。
昨日出会ったベラジーとミルフィ、トニー。先ほど自己紹介をし終えたショコラとハワード。マーゴは顔を見たかもしれないが、覚えていない。
ってか、人の顔を覚えにくいって、この仕事じゃ致命的だと思うんだけど、師匠は気にしなかったなぁ。
ぼんやりとそう思う。
ただ館の雰囲気が昨日と違う。昨夜は酔いであっさりと蹴っ飛ばした違和感を改めて感じると、それはノスフェラトゥがなにかを企んでいるんだろうなと思い至る。
やっぱりうまい話には裏があるのね。チクショウ。お金持ちだからって気持ち油断してたよ! 昨日『さん』付けで呼んだのも撤回てっかーい!
とはいえそんなのは当たり前だ。なんのために宿敵であるハンターをこんだけよんだってゆーんだよ。って話なわけで。
そこらへん、追々探んなくちゃいけないんだろーなー……。
昨日、館に訪れた後で、オスカラーから受けた質問。
『何故、ここへきたのか?』
はぐらかした回答を思い浮かべながら、コップに新しく水を注いだ**]
(93) 2014/11/05(Wed) 17時頃