[ときどき、わからなくなるのだ。自分がなにを考えているか。
こんな顔をしているからといって、なにも思わぬわけではない。でも、なにもかも覆い隠して生きていると、それがどこかに行ってしまうようで。
最近は存在そのものが曖昧になっていくような、そんな気すらしていた。……すこし前までは]
[ともかく注文を決めてしまおうと、メニューに向きなおる。すすめられた真珠スープと、オーレリアがすすめてくれたものがあったなら、それを。なければ簡単に、パンとサラダでかまわないだろう。
オーレリアも注文に時間がかかる様子ではなかったから、立ち去ろうとする女性店員はすぐに呼び止められただろうか。
注文を済ませればひと息ついて。店名の由来である森真珠の話など、二人でしていたのかもしれない]
[近くの席から声がかかったのは、そんなときだったか。
振り向けばそのいでたちは、先ほど入り口辺りですれ違った青年。知り合いのようなそぶり>>79を不審に思い、己の表情は変えぬまま、彼の顔を注視すればよく見覚えがあるのに気づき]
……あなたは。
なぜここに……
(93) 2017/08/11(Fri) 12時頃