あ、そーだ。はいこれ。
[手当てのされた手が渡すのは、折り目のついたテスト用紙。
渡してしまうと、手当てのされた手を弄りながら、やれやれと立ち上がった。
ちょっと名残惜しくて、何かしてみたくなる]
僕、これから訓練行かなきゃなんだよねえ。
何回やっても出来ないっていうのにさあ。
[ぼやきながら、ふと目についたコーヒーの入ったカップに向かって、こっそり指で鋏の形を作る。
ミナカタに気付かれないうちに、数回指を動かして“布を切る”]
じゃーね、ありがとミナカタ。
また来るねー。
[手を振って退室したあと、ミナカタは気が付くだろうか。
コーヒーカップの影に、せわしなく動く針と糸の影が加わっていることに。
なんにせよ、ミナカタがコーヒーを飲もうとするころには、中身のコーヒー含めて、もこもこのぬいぐるみへとカップは姿を変えている]
(93) 2013/06/23(Sun) 11時半頃