海に還りたい、なんて言うなよ。
お前がいないと、このBARが寂しくなんだろ〜〜?
[この空気を払うようにふっと笑って]
あ〜〜〜、相変わらずだった。
全然変わってねェ。
[ホレーショーは、相変わらず苦手だ。
そんな世間話の合間、言葉の通り、恋しいのだろうか、海の方を眺めるヴェスの視線>>62を少しだけ追って、次のカクテルを作る。
島を囲む海のような、深い碧色のオリジナルカクテルをフルート型のグラスに注いだ。
ヴェスの手によって、灯りに翳されたそれは、淡く透き通る色合いを見せ、惑わすようでもあって。度数はそれほど高くないはずだが、どうやら酔ったらしい。>>63
思惑とずれ、逆に恋しさを煽るには充分だったようだ。
帰ると言って立ち上がったヴェスの、その背に少しばかり心配そうな表情を向け、見送った。>>39]
― 回想 終了 ―
(92) 2013/09/03(Tue) 20時半頃