[物理的な距離が近くなってしまえば、
どうしたって慈しむみたいな気持ちになってしまう。
休暇をとっていた数日はマンションの敷地内で過ごした。最上階のラウンジは眺望がいいし、屋上のヘリポートの見学も出来る。本の揃えられているサロン、エントランスは緑が豊かで、カフェのコーヒーは意外と美味しかった。コンシュルジュはすぐにナナの顔を覚えた、この子たちにはきっと愛されることの才能のようなものがあるのだろう。
特に興味のなかったそれらの設備を、少年の手を引いて回っていくのは意外と新しい発見があった。そうして規則正しい生活を続けていく内に、少しばかり悩みの種が芽生える]
お留守番よりは、
連れて行ってあげたいのだけど、
……やっぱりベッドが必要かしら。
[自分がオーナーを務める店は未成年厳禁の夜間営業なのだった**]
(92) 2017/10/11(Wed) 00時頃