確かに。 鶏が先か、卵が先か。[因果性ジレンマの有名な一節である。僕はそれを口にして、茶屋の一番端の席。昨日とまったく同じ場所に腰掛けた。] いい思い出。[梅子はいい思い出を作れという。いい、とはなんだろう。思い出、とはなんだろう。店主へと指を立てて注文――というよりも恐喝かなにかにさえ思える――している梅子。喜壱はどう反応しただろうか、僕は煤けた蘇芳を二人へと向け。それから、机の木目にその視線を移した。]
(90) 2013/09/01(Sun) 15時半頃