[悪趣味なテレビは、凍り付いたように動けなくなっていたキルロイを突き動かした。
画面の中の布袋は、見るに堪えない姿だ。
シャワー室で触れた時から、身体を改造でもされたのか。
こんな悪趣味な番組、誰が仕組んだかなど考えるまでもない。]
やめ、ろよ……やめろ、やめさせろよ!!!!
聞いてんだろ直円!!
布袋は関係ないだろ!!なんでだよ、なんで、そんな姿……っ、やめ……っ
[その、刹那。
亀吉が絶叫をあげて、倒れ込んだ。廃ビルの最上階で、消えゆく意識の中うっすらと耳にしたもの。あれもきっと、亀吉の声だったのだろう。]
っおい、なあ、ちょっと……っん、かめよっさん、しっかり、しろよ……!ちょっと、誰か……!!
[咄嗟にドアから離れにじりより、ぴしゃぴしゃと頬を叩く。射精直前の熱が籠った身では、上手く歩くことすらままならず這うように移動していた。
失われた布袋は、ああも無残に変えられていた。自分が、抱かれた後からだろうか。それならこの亀吉は、と思うと、背筋が震える思いだった。**]
(89) 2016/06/14(Tue) 02時半頃