― 墓地 ―
……別に、甘やかしてねェよ。
[ようやく、微かに浮かべられた笑み>>64に、男も僅かに口の端をあげた。
男はホレーショーの家をでて、ここまでくるまでの間に少し、寄り道をしていた。買ったばかりのレターセットにその場で文字を書き殴り、厳重に封をしていたものが何通か。どうするか思案していたのだが、それをカイルに手渡す。]
俺は、今からちょっとやることがあるんだが……、
俺に何かあったら、これをその宛名のやつらに渡してほしい。
[一枚目はジジイ、もとい長老に宛てたもの。
中には、今までの死体の状況や、言動からみて、現状で最も疑わしい者、数度聞いていた"リッキィ・レインウォーター"の名前と、彼女がホテルの宿泊客であることや、人狼の研究でこの島にきていたこと、男が見ていた時の服装や外見の特徴などを書き連ねてある。
まだ、確定的な証拠がないことも。
だから、今彼らに告げるよりも先に、彼女に会って、"視る"べきだと、男は思っていた。]
(88) 2013/09/12(Thu) 20時半頃