――正午(回想)・食堂――
[ 大衆食堂『森の真珠』は、島の中でも、
かなりの広さがあると、リッキィは認識している。
貴族達の別荘が立ち並ぶ区画も、相当の敷地の、
大きな屋敷は点在していたが、『森の真珠』も
負けてはいない。観光客向けの高級料理店も
存在していたが、価格と、味と、ボリュームと、
観光地としての明け透けな雰囲気を味わうのならば、
『森の真珠』が確実だ。
傘を持ってきてくれるというトニー>>46の
帰りを待つ間、リッキィは食堂の隅に移動していた。
夜になれば舞台になるスペースも、
昼には食事客のためにとテーブルなどが
置かれているかもしれない。
幾多の人、幾多の椅子とテーブルを、
料理の乗ったトレイを両手に、ひらりひらりと
舞うように進む、女性定員>>42の姿が
見えただろうか? もしも見えたなら、ひらひらと、
おつかれさま、とばかりに手を振って。]
(88) 2017/08/11(Fri) 03時頃