[寄り添うように彼に支えてもらって、
早くなる心音が彼に届きませんようにと願う道中。
先程まで彼と他の人との距離を妬ましく思ってたのに、
いざ自分が近づいてみれば、一体どうすればいいのやら。
歩みもちょっとだけ、ぎこちなくなっちゃいます。
ほんとうに、現金な自分が嫌になります。
さっきまで、あんなに沈んでいたのに。
手を差し伸べられただけで、こうも心が浮ついてしまって]
約束している人が居なかったなら、良かった、です。
――ゆういちも、ですか?
そんなに、スノウフェアリーが見たかったんです?
[楽しみで寝れないなんて、なんとなく彼らしくないです。
可愛らしいところもあるんだなあ、って。
そんなことを考えてるって知ったら、貴方は怒るでしょうか。
冷えた指先の下、色の薄い唇を、すこしゆるませて
ちょっとした類似点が嬉しいような、そんな心持ち]
(87) 2015/11/20(Fri) 17時半頃