うお!集さんだ!手伝って手伝って!これ結構大変よ?
[洗った皿が水切り籠にたまり始めた時、後ろから声をかけられた。自分の知らないことを沢山知っている、面白い先輩がそこにいた。手伝おうか、と言ってくれたので、これ幸いと素直に甘える。]
…ぶっ!ゆうこりんはいつ聞いても吹いちゃうんだけど、おれ。
[部屋の場所を聞こうとした彼が、自らを呼ぶ。その呼び方に吹き出し、肩を揺らして堪える様に笑い。]
…っく、おれ真紅。何か真っ赤だった。すげーよ。きてきてー。
[答えれば、耳元に彼の唇が近づく。内容はこの後の遊びの誘いだった。けれど、そうして耳に触れた息の流れが、形容し難い何かとなって背筋を駆け下りるような感じがした。反射的に彼とは逆の方へ身体を反らせ、囁かれた耳を泡にまみれた手で塞いだ。]
ーーい、く!行くから!耳元はダメだって!びっくりした…まじで。
[今の反応は過剰ではなかっただろうか。不快感を与えてはないだろうか。
集の様子を窺うように下からその顔を見ながら、それでも出掛ける誘いは嬉しかったので、肯定で返事をした。]
(87) 2014/04/09(Wed) 00時半頃