[頭の中をぐるぐると整理されてない情報が巡る。
上官として尊敬していた相手が、自分をそういう対象として見ることへの、戸惑いと気持ちのズレ。
祖国のために犠牲を払っていた姿勢があんなにも眩しかったのに、あっさりと祖国愛を忘れていたことによる失望。
同性愛へ感じる生理的嫌悪感。
そうしてなにより]
か、勝手だ。俺はあのとき、正気じゃなかった。
それなのに、お前は、好きだのなんだの……。
[記憶がない時に、告白されて。
なにもわからない状態で、キスをされて。
記憶がないのにつけ込んで、としか、思えなかった。
今の自分との剥離が、ぐわんぐわんと頭を揺らす]
好きだと言われて喜んだよ。でもそれは俺が記憶がなかったからだ。俺が赤ん坊と一緒だったからだ。
正気なら、ちゃんと、もっとちゃんと対応出来たのに。
なんで、あんなときに、ああくそ。
(86) kaisanbutu 2014/02/09(Sun) 01時頃