251 洋墨と躍れ、心の随に


【人】 姉妹 ロイエ



[〝彼〟を食った虚は、
 散らかした黒をずるり、ずるりと集めていた。
 言刃を鳴らさず …言弾を響かせず
 静かにゆるく編んだ髪へと溶けていく。

   その黒もまた、存在の認識者もおりながら、
   世界に拒まれ、顕れることが叶わなかった。


 ────かの若き研究員は
 意図したわけではなかったのだろう。
 ただ、改訂の中で存在を葬られた〝彼〟と
 紛失したとされる数頁の真実を知ろうとした。

         だからこそ、この手は
         彼ら到達不能の領域へ至った。 ]

         

(86) 2018/10/08(Mon) 06時頃

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