[>>82握り返された手はいつもの温かいそれ。
けれど、返された声にはまだ震えが残っていて本調子では無さそうに見える。
それなのに、>>83俺を守らなきゃいけないと、泥人形を見据えるラディに抱いたのは、申し訳なさと、悔恨。
身体が大きくなっても、俺は彼女にとって庇護しなきゃいけない子供のままなんだ]
…さっきも言ったけど、俺だって出来ることは増えたんだから。
ラディは、ラディの事を考えて。
[自分を守る必要なんかないと言うと、たん、と駆け出して。
泥人形の顔目掛けて、猫の様にしなやかに飛びかかり爪を立てた左腕を伸ばしたのだが。
ぬちゃ、と嫌な音を立てて泥に沈んだだけで、その顔を削り取る事は出来ず]
っ、
[咄嗟、人形が纏う鎖に足をかけて蹴った反動を使って離れるも、人形にめり込んだ左手には泥が纏わりついたままで。
まるで蟲毒の壺にでも手を突っ込んでいるかのような感覚に、眉を顰めた*]
(85) 2018/03/22(Thu) 22時頃