――とある貴族の屋敷→港経由で大衆食堂『森の真珠』へ―
[ランプ納品後、帰りも馬車を出してくれるというのを、他にも用事があるからと丁重に断る。姉の体調が安定している今日、他の用事をついでにすませてしまおうと思ったのだ。
まずは港で買い物を。目的の小物をポケットに入れてから、はたと手を打って]
ランプの修理、大分前に頼まれたんだった。
[該当のランプはヴェスが納品した物ではなく、父親が納品したものだ。アンティークなそれを、『森の真珠』の主人は未だに大事に使ってくれているらしい。
足早に歩き出せば、生暖かい潮風が頬を撫で]
こんなにいい天気なのに、まさか…?
[嵐の予兆――島民ならば、大なり小なり感じているだろうか。
ふと前を見ると見慣れぬ少女の姿。身の丈以上もある荷物を運ぶ工夫はそれなりにしているようだが]
手を貸そうか?
[少女は何と応えるだろう。場合によっては、『森の真珠』を紹介し、案内するかもしれない]
(85) 2017/08/11(Fri) 03時頃