[何やら伺うような眼差しを向けてくる相手を睨み付けていれば、ふつふつと腹立たしさが湧いてくる。
だからそれをぶつけるように、ふ、と軽くその顔へと煙をかけてやれば、寄せられた眉が更に寄ることになるだろうが……それはそれでいい気味だ――自分のこの行動が、実に大人気ないと気付くまでは。]
しかし坊主は優しいな。寂しい寂しい"ひとりみ"のオッサンに、お前さんの美味しいハンバーグを分けてくれるのか、ん?
……こちとら夕食は、鰯の缶詰かツナ缶か、って考えてる所に。
[坊主が何を心配してるかなんて知らんし、探るつもりもない。たださっき言われた"ひとりみ"の一言は、思いの外自分でもショックだったよう。滲む揶揄の色は隠すつもりなんてありはしないがね。
デリカシーの無い一言への恨みと、挙げた自分の夕飯の献立の侘しさと。
それらをたっぷりと込めてさも寂しげに呟けば、短くなった煙草を地面に放り、靴で踏みつける――後でちゃんと拾うつもりだが、まぁ今はいいだろう。]
(85) 2015/04/06(Mon) 23時頃