―丘→エントランス―
[遠ざかる二人の背中が、青い鳥居を潜るや否やかき消えて]
……へぇ、ほんとにあれで飛べるんだ。便利な術ね。
[つい今しがたまで彼がいた場所に視線は暫し縫い止められて。
遅れて合流した伊亜>>69から、遙が無事に見つかり、茉莉と共に別ルートで学院に向かったと説明を聞けば]
そっか、…ちゃんと捕まえてもらったみたいで良かった。
伊亜ちゃんお疲れ様、伝言もありがとね。
じゃあ、あたしたちもそろそろ行った方がいいのかしら。
先に行った人達を待たせても悪いしね。
[すたすたと鳥居に近づくと、躊躇うことなく身を潜らせた。立ち眩みのような感覚にぐらりと揺さぶられながらも、そのまま脚を踏み出して]
――……ん、……結局ここに、帰ってきたのね。
[視界に真っ先に飛び込んだのは、どこか懐かしく感じる紅い時計台。初めて皆に会った場所だった]
(84) eyes 2013/08/26(Mon) 21時半頃