[バラバラと紙袋へ飴玉を放ったところで、流石に顔色が悪いな、って、つい肩を引っ掴んだ。
あとは>>58日陰に落ち着いた彼が蹲るのを見つめていたなら、乱暴だったかと眉を下げて頭を掻く。]
別に、俺は、なんも。
[変わらず男が気まずそうであるから、言いかけの言葉が詰まる。自虐的な言い方は、大して、快く思わない。]
何でだよ。
[上手く言葉に出来ないけれど、寄せた眉はあからさまに苛立ちを見せただろうか。
困ってる人を助けるのは当たり前だ、見過ごすのは冷たい人のようで自分が嫌になる。…素直にお礼を言う事も、当たり前だろう?生きてきて、それらを疑った事はない。
あともう一つ。気になることがある。]
ちょっと、ごめん。
服にさ、土が…
…ごめん
[先ほど引き掴んだ彼の肩。手袋に付いていた土が付着して薄茶色に汚している。手の甲で軽く叩いたけれど、茶色の染みを残したままで。
ああ…、って申し訳なさそうに苦笑いしてもう一度謝った。]
(84) 2015/04/08(Wed) 19時半頃