(私は薬を得ようとしただけではありませんか、この様な、欲に駆られた下賤な者たちと一緒になさらないで!)
[全く馬鹿げている。
如何して自分の資料までもが、こんな資料と同じ部屋に保存されているのか。
【傲慢】などとされねばならないのか。
────その考え方自体が傲慢であると、娘は気付く事はない]
[そんな風に膝の上に資料を乗せて青い顔をしている所に声を掛けられ、流石にビクリと肩を跳ねさせてしまった。(>>78ニコラ)
目を見開き彼へと顔を向けて、異人────然し"色欲"の男ではないと知るや、ホッと体の力が抜けた。
この資料とあの男が同一であるとは限らないが、矢張り、どうしても警戒してしまう程度には娘は娘らしさを残していた。
座ったままでは礼に欠けるかと、膝に乗せていた資料を手にして立ち上がる。
そして膝を曲げ会釈した]
(83) 2016/02/24(Wed) 07時半頃