[>>80笑う顔すら愛おしい。傾くグラスの所作と流れる物を嚥下する喉仏へ自然と目線を流し。
湿湿とした一つ一つの声を聞きながら手元のワイングラスへ視線はシフトするだろう。揺面は声を受け穏やかな凪を湛えるも、頬に触れられたなら僅かに震度を受けたかもしれない。]
ふふ…
いえね、気付いてはいても
確かめたかった。
それに親の様に慕ってくれているのなら、
それを裏切るのは
貴方を傷付ける事になる。
命を強請られたのは、
意識も混濁していたからかもしれない。
[そんな。こじ付けに自嘲して。狡い、と言う声が聞こえた気がしたか。もういいかしら、と。頬の掌の熱を伴ってワイングラスを傾けた。少しの酸味と芳醇が喉を通れば唇を舐め、一つ息を落とし]
旅から戻れば必ず貴方を誘って
いつも二人で飲んだでしょう?
もう何年も。
私は貴方を
試していたのかもしれません。
(82) sac0920 2014/07/03(Thu) 11時半頃