[メルヤがフードを被った戦士――モンドに淹れた紅茶は、カリュクスの手元にあるそれとは少し色が違っている。
先ほど感じた渋みを思い出したが、茶菓子で喉が渇いたので仕方なく、少しだけぬるくなったカップに口をつけ。
おや。と赤い瞳を丸くした。甘さが加わり、茶葉の風味がまろやかに咥内に広がる。]
どうしたことか。急に茶が美味くなったぞ。
……お主、何かしたのか?
[クラリッサはクッションを用意はしてくれたが、カップには触れていないように思う。間違い探しをするように隣に座るイワノフと、手元のカップ。さっきより数のへった気がする、白く四角いものを交互に、不思議そうに眺めながら再びカップを傾け、戦士たちと少女の会話にしばし聞き入る。
ひとりとして同じ花もなく、それは戦士も同じで。
賑やかな茶会の雰囲気に、その中でもひときわ自身の"妙ちくりん"さに気づけば、少しだけ肩を丸めて。]
(82) 2015/12/09(Wed) 21時半頃