相変わらず暇だねェ。……楽で有り難い事だが。
[花瓶の水を替えながら、教会を見回してみるけれど、そこには坊主以外に人など居らず。
……だからこそ、こうして昼間から博打なんて打って来れるのだから、有り難い事でもあるのだけれど。
教会の裏の水道で花瓶の水を替え、古い花を捨て。新しい白百合を窓辺に飾れば、少しだけ心が落ち着いた。]
…………。
[坊主は未だ、祈りを捧げていただろうか。もしもそうならば、黙ってその椅子の隣に近付き。椅子の背の角に腰を預けるようにして体重をかけ。天窓から差し込める陽に照らされた木製の十字架に目を細めれば、そのまま静かに目を閉じる。
誰かが祈りを捧げている時に邪魔をするのは、野暮というもんだと。
坊主の祈りの内容は知らんが、たまにはそれらしい事をしてやるのもいいだろう――ここは一応、職場だ。]
(82) 2015/04/08(Wed) 18時頃