「……出ていけ」
[神父を殺ったことを確認した吸血鬼は、その場に崩れると青年に言い放った>>0:464。
今のでまた出血してしまった。もう動く気にすらならない。
どうせ相手はただの子供、取るに足らぬ相手だ。
先はどうだか知らないが、今は親を殺した相手をどうこうしようなどとは思わないだろう。
だから見逃すつもりだった。
――その考えが命運をわけた。]
[青年はせめて日が昇るまで待ってくれ、と懇願してきた>>0:464。
冗談ではない。日が昇ってしまったら自分も動けなくなる。
一度は却下しようとしたが、話を聞くに、どうやら脚が悪いらしい。
懇願され、哀れになってきた吸血鬼はならば日が昇る直前、空が白んだら出ていけ、と条件を変えることにした。
空が白んでいるだけならば、まだ何とかこの部屋の闇を使って教会を包み込むことができるのではないかと。
それまでには何とか舞えるだけの体力は取り戻せるだろう。そう思ってた。]
(82) 2014/11/05(Wed) 15時頃