─ お薬のお屋敷前 ─
[ 見えた影>>77が此方に向かってくる。
瑠璃色に映るあいだ扉の前にいたようだし、お屋敷のお兄さんはいないのだろうか。
───この腕、痛む儘?
艶やかな花魁の下の醜い傷跡。
痛みを視線で追ううちに、向かう男との距離は狭まっていたかもしれない。 ]
───っわ、 ひ、ぁあ
[ 近づく距離が予想よりも近くにいたものだから、慌てて引いた右脚の三枚歯下駄はカクン、と平衡を失い──
派手に草花のクッションへ、ダイブ。
最初にダイブしたお尻がヒリヒリと痛み、足元の花魁の乱れになど気も向かない。
落ちたガマ口財布から、散る小銭。6668ボボノのうちの小銭があたりへ散らばると、太陽の陽を浴びてキラキラと、宝石のように輝いていた。 ]
は、はいっ 用が あって
[ 瞳は合わせられないから、あくまで首元に視線を向けて散らばるボボノを拾い始める。 ]
(82) 2014/12/23(Tue) 22時半頃