[しかし、神父の返事はNO。
それも手当てどころか襲い掛かってきた。
――嗚呼、また戦闘か。
もう自分は闇を操るのに必要なステップも踏めないのに。
得物もなしで、殺らねばならないのか。
――面倒くさいなあ。
そう思いながらも、貧血でくらくらする身体に鞭撃って攻撃をかわす。
もう自分には相手の隙を作ることは叶わなかった。ウェルナー家は何処まで来たのだろう。後退すれば出会すかもしれない。
――こんな所で時間を無駄にしたくないのに。
そんな時、一人の青年を見付けた。
顔の造りや年格好からして、この神父の息子だろうか。
ならば……。
吸血鬼は靴の力で身体能力を上げて飛び跳ねると、青年に向かって鋭い蹴りを放った。
……所詮ヒトの親ということか。
その一撃が何を標的にしているのかを理解した神父は青年の身代わりになって、靴の餌食となって死んだ>>0:465。]
(81) 2014/11/05(Wed) 15時頃