―藍里の黒幕レポート―
[”藍里の視点”で纏めてみることにした。
誰かが陥れようとしたりしていないのは、直感だが真相のように思う。
人の顔色を窺うのが習性となっているため、人の観察するのも苦ではない。]
[まずは豊田 全。出版業界の勤め人で帰省する為に本来の終点で降りる予定であった。
重苦しい溜息の原因はわからないが、その背景事情は後ろ暗いものはないように思えた。ほとんど直感に近いが。
少なくとも非現実的なことを隠しているような素振りはない。
>>1:84の”自分の黒幕だったら――”
藍里の中の人物像では、豊田という男は然程器用ではない。藍里と同じく幻想的な風景に心奪われるよりも現状に戸惑っているような節はある。>>1:64
自分が黒幕だったらという仮説を出すのは黒幕本人では大胆な行為に思える。人物像とは一致していない気が藍里にはした。
”自分が黒幕だったら、まずこんな綺麗な情景には行けないだろう”>>58
何処となく、自虐を孕んだ言葉に偽りはないように藍里には思えて仕方無かった。]
(80) 2016/08/15(Mon) 23時頃