―吸血鬼視点:あの日の夜―
[吸血鬼、ヴェスパタインは逃げていた。
逃げる相手はかの有名なハンター一族、ウェルナー家>>70。
何人か相手を闇に引き連れ込んだが、まだ大星の二人は引き込めない。
躍起になったせいで踏み込みすぎた。
結果、大怪我を与えられてしまい退却を余儀無くされた。
走りに走った。今宵は満月とはいえ今は夜。
自分の力が最も強まる時間だ。
走る速度も人間には劣らないはず。
傷から溢れる血のことなど後回し。できるだけ早く遠退かねば。
しかしそれにも限界があって。
暫くすると走ることも儘ならなくなってしまった。
逃げねば……いや、その前に傷の手当てをせねば……。
そう思って顔を上げると1つの教会>>63が。
――教会の世話になるのは癪だが、今は選り好んでいる場合ではない。
そう判断した吸血鬼は中に入り、事情を説明して怪我の手当てを求めた。]
(80) 2014/11/05(Wed) 15時頃