―職員室―
[セシルの自室を訪れた。
扉が開け放たれた部屋に吹き抜ける風は、家主の不在を明確に表しているようであった。
嫌な予感を確信に帰るのは恐ろしかったが……希望くらいは持ってもいいだろうか。と、駆け足で訪れたのは職員室であった。
「失礼します」の声と同時に、扉を勢いよく開く。
そこには、思案顔の>>68ホレーショーがいた。
彼がすわる机の傍まで歩を進めた。]
……ホレーショー、さん…
あの、セシルを、
[見ていませんか。
息を切らしながら尋ねた言葉は、意図せずに飲み込んでしまう。
職員室に来た時点で、かえってくる答えはわかりきっていたのに。
いつもは明るい顔をしている教師が沈んでいる姿は、見ている方の心も鉛のように重くする。
そういえば、事が始まる前にこの人に尋ねたことがあったっけ。]
……この、一連の事件は、三年前の事件と同じなのか…?
[ほとんど呟くように、問いかける。
返事があれば、もう少し詳しく話を聞けないだろうか。相手にされなくとも、友人の中の、一人の無事さえ確認できればいい。]
(79) 2014/06/26(Thu) 00時頃