[明之進の腰帯に手を伸ばしながらマスターからの返答を耳にする。>>71
それだけでささくれ立っていた気分が嘘のように花畑になった。好き好き大好きマスター第一。いつだって、恋する配下は盲目なのだ。
それだけでなく、主の言葉はケイイチの目を覚ま好きものだった。]
『ヘッドハンティング……その考えはありませんでした。
マスターは流石、懐が深い……!』
[感極まるような返事を返すが、懐の広すぎるマスターの様子まで伝わってきてわずかに唇を尖らせる。
別に日常茶飯事だが、「仕事」中の自分に塩対応な男と睦まじくしている音までデリバリーされてしまうのはどうなのか。]
『……マスター。
僕たくさん頑張りますから、一番役に立ちますから。この施設をダメにしたら……
僕のことも可愛がって下さいね?』
[ねっとりと絡みつく気配に向けて、いつもの花が舞うような台詞ではなく、少し寂しげな声を送り届けた。*]
(79) 2018/02/23(Fri) 22時頃