[足元にすり寄ってきた獣>>70のふわふわした毛皮の感触。未知との遭遇だ。女王の襟巻に触る機会は終ぞなかったが、こんな感じかもしれない……と男は思った。
が、どうやらこのふわふわの姿は本来の姿ではないらしい。考えてみれば、この獣の手足は実験などの細かい作業ができるようにはとても見えない。指が短すぎる。
なるほど何らかの理由で獣の姿になってしまっているということらしい、と理解した。]
宇宙クラゲに対抗する薬……駆除薬のようなものだろうか。
そのためにも、元の姿に戻らねばというわけだな。
[それから、かけられた勧誘の言葉>>72にきょとんと目を見開いた。]
……わたしで力になれることがあるなら、手伝うのは構わない。
[仕えるべき相手も帰るべき場所も喪った自分が、誰かの助けになることなどできるだろうか。
ぎこちなく頷きつつ、ヒューマノイドの匂いを嗅ぎに行く姿を見送った。]
(79) 2020/08/23(Sun) 00時頃