42 とある結社の冬休暇


【人】 教え子 シメオン

― とある結社員の過去 ―

[青年は、村の中で最も裕福な家庭に生まれ育った。
 特に職を持たなかったが、何もせずとも親の金だけで
 生きるのに不自由は無い。
 そんな子に対して、親もまた甘く、何も言わなかった。
 満たされているという訳でもないが安穏に暮らせることは
 保障されている――はずだった。

 しかし、ある時。
 村人たちが獣に食われて死ぬ事件が頻発するようになる。
 青年は当時から友人などもおらず、被害者たちのことなど
 ろくに知りもしなかった。
 だから、事件のことも親が話していたのを聞いただけだ。
 自分には関係の無い話であり、深く捉える事も無かった。

 けれど、そんな彼も他の村人たちと同様に。そして平等に。
 村にやってきた「結社」を名乗る者たちにより
 集会所へと集められ、「人狼」の説明をされた上で
 閉鎖された空間に監禁されてしまう。]

(78) 2012/01/12(Thu) 00時半頃

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