──給湯室→会議室──
[ あれからどれくらい経っただろう。ふらふらと立ち上がる。寝ていたせいか気分は幾分かましになっていた。
体を起こし、次に何をすべきか考える。ほどいた髪を結び直す。普段指通りのいい髪質だが、濡れているせいで絡まって結びにくい。
キルロイの部屋には、もう行かなくていいだろう。影流が渡したのは見届けたし、役目は果たした。あれ以上亀吉ができることはない。
気になるのはヘクターと影流だ。
ヘクターへの違和感を払拭したいし、この状況で枷で拘束されているのはやはり気の毒だ。
影流は先程別れ際に見せた表情>>40が気になる。キルロイ隊救出作戦のとき以来、話そうとして結局できずにここまできてしまった。昔みたいには戻れなくとも、歩み寄らせてほしいと思っていたのに。また亀吉から突き放してしまった気がする。
腰を上げると、会議室へ向かった。少なくとも、ヘクターと布袋は戻っているだろうという見通しだった。
人に会える程度に回復もしている。
しかし、現実には。]
あいつ、まだ戻ってないのか……!?
[ 会議室は無人だった。ホワイトボードの表記は変わらぬまま。]
(78) 2016/06/09(Thu) 23時頃