147 月夜ノ緋糸結ビ 


【人】 巫女 ゆり

 ――あ、あの、

[ようやく出る、掠れた声。]

 夜風、に、あたってきます。

[何処に行くとは言わなかった。
否、言えなかった。此処は知らない場所だから。

それだけ言えば。
人のいない方をと願って、ゆっくり立ち上がり、
ぱたぱたと広間を出て行ったか。

道中誰かと出くわしても、
曖昧に微笑むだけでかわそうと、そうこころみて。]

(78) 2015/01/20(Tue) 21時半頃

← ↓ ■ □

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】