[たくさんの本棚、その中に覗くは大量のファイル。
…いや、この男はファイルというものを知らない。スクラップブックならば、別かもしれないが。
なんにせよ、本らしきものが大量に並んでいるのだ。当然、そちらに目を奪われるというのが普通の反応なのかもしれない。
…しかし、目的は別にあった。
男は本棚の部屋に足を踏み入れると、何かを探すように、それでいて迷わぬ足取りで通路を歩く。]
……。
[居ない、居ない、居ない。
すぐ横に自分の名前のファイルがあったことにも気づかぬまま、もしかしたら扉もあったかもしれないが…そのまま進んでいけば────目当ての青衣を漸く見つけることは叶ったか。]
…マドモアゼル。何かめぼしいものでもありましたか?
[その頃彼女(>>65)はちょうどファイルに目を通そうとでもしていただろうか?それとも、目を通した後だったか。
先にこの部屋に踏み入れたのだから、きっと何か見つけたのではないか、なんて。
漸く自由の効くようになった手を、ひらりと下げて礼をした。]
(78) 2016/02/24(Wed) 05時頃