[弱くて小さな秋野の声に、返ってきたのは、強く突き抜けるような声だった。>>73
もうそれだけで、何でも信じてしまえそうだと思う。]
──できたら、いいなぁ……
[底抜けに明るい真っ直ぐな声に後押しされて、希望ばかりが膨らんでいく。
またどうせ同じことの繰り返しだ、と思わないわけではない。
それでもやっぱり、自分に期待してしまう。
そうじゃなければ、こんな世界はきっと生まれなかった。]
でも、一緒に飛び下りんのは、嫌かも、
[続く朱美の言葉に苦笑の表情を作ってみたつもりだけど、視界があんまりぼやけているから、上手く出来たかは分からない。>>74
学校から帰るのなら、昇降口だろう。
きちんと階段を降りて、昇降口の戸を押し開いて、ばいばい、またあしたね、って。
どうしてか、頑なに開かなかった扉も、今ならちゃんと開くだろうという確信がある。
きっと、それが、秋野の答えだ。]
(77) 2015/06/29(Mon) 18時半頃