[最初に目についたのは、そのマネキンだったけど。
ふと視線をずらせば、もう1体、別のマネキンが倒れている>>2:329ことにも気づく。]
…誰の、だ?
[近づけるだけ近づいて確かめる。女子の制服に、黒い髪。
ここに居る生徒の中だと――藤堂、だろう。そのマネキンの近くの扉には、僅かにだが血が付着していた>>3:6。誰かが、無理やりこじ開けようとしたのだろうか。
もし、校舎から消えた彼女たちが、無事に現実へと帰っていなかったら。そう考えると不安になるが、でも、きっと、大丈夫だ。
姿は見えなかったし、本当に微かな声だったけど、万里の声は確かに――さきに帰ってる、と、そう言っていたから。その言葉を、信じたかった。
それから扉に背を向けると、教室のある方へと歩き出す。一度集まると言っていたが、教室には何人居るだろう。最初は11人居たが…今の校舎には、果たして何人が残っているんだろうか。*]
(77) 2015/06/26(Fri) 23時頃