[その返事を聞けたか否か。 それに反応するよりも先に、逃げる者とは正反対に飛び込んできた人影に気を取られた。 その理由は、両腕に抱えられた人間か。 混沌《シアワセ》に沈んだように見える男を、しばし静観していたが] ……。[少年が助けを求める声に、無言で二人の方へと歩く。 下ろされた女性の下に跪くと、大きな手を掲げる。 身に繋がれた黄金の泉がとぷりとさざめいて]
(77) 2013/05/23(Thu) 09時頃