【人】 司祭 ブルーノ

―教団の終止符―

[冬山へ修行に向かった教祖ブルーノは春になっても夏になっても教団のもとへ戻ってくることはなかった。
山への捜索も続けられた。洞穴の中に、木の下に、座臥した教祖が居る。
幹のウロまでも探したが、彼が山の中で過ごしていたという痕跡すら見つけ出せなかった。

教団の幹部は焦り、教徒達にこう告げた。]

『救世主は、我々の業《ｶﾙﾏ》を一身に吸収され、善なるエネルギーへと浄化する為に、今もカリイエ山にて修行をなされているのです。
さぁ、皆さん！
祈りを捧げましょう。時間の概念も人間の常識も超越した大宇宙の神と一体になるために。救世主《ﾒｼｱ》と一体となるために。』

(76) k-karura 2012/12/18(Tue) 21時半頃