[まだ、陽が昇っていた頃に起きたことなど露知らず。冷えた風の心地良さを感じながら、一歩、一歩と彼の元へと帰れることの歓びを咬み締める。また溜息で迎えられたらどうしよう、とか。帰宅が早かったと咎められたらどうしよう、とか。振り切っても振り切れぬ疑心暗鬼は彼が望んでいない関係だという自覚が呼ぶもの。それでも帰りたい。此処以外の居場所を無くしたのは他でもない、彼だから。]
(75) 2019/10/12(Sat) 15時半頃