[荷物の伝票には彼の名前と住所。そして品物名の場所には『Y10AE905 "ヨーランダ"』と書かれてあった。そして箱を開けたのなら、中にはスヤスヤと眠る少女がいたはず。
スリープモードになったクローンを起こすには、ただ一言声をかけて音声認証を照合させてやれば良い。
だがもし彼がその箱を開けずに日本を立ってアメリカへと飛んだのなら、当時のヨーランダ・パトリック・シルトンが住んでいた家の場所には墓石が一つ建っており、そこにはこう書かれていた。]
―1997年〜2088年没
ヨーランダ・パトリック・シルトン
―2141年〜
Y10AE905 "ヨーランダ"
[調べれば、その番号がクローンの識別番号だということがわかるだろう。その番号を問い合わせたのなら、同じ州の遺伝子研究所に"収納"されていることもわかるはず。
そして、その検体は数週間前に、既に日本に出荷されたようだ。
だが、それらの情報も、彼の目に留まらなければ意味は成さないのだろう。]
(75) もるもっと 2016/03/08(Tue) 15時半頃