[女の子のことは女の子で助け合った方がいいと、
穂積さんに日下部さんのことを頼んだ僕は、薄情なんだろう。
保健室から体育館へ向かう途中に会った穂積さん>>2:262は、
本気で日下部さんを心配しているように見えた。
あの人は、きっと、本当に優しい。
だから、文化祭の準備が忙しくなり始めた頃、
クラスの中でも静かな女の子グループ>>0:151から、
孤立しているのかもしれないと、
別所くんが小声で僕に話した時は、少し驚いた。
「それは探偵の勘ですか?」と問う僕に、
『勘ですよ。つか、見てりゃわかる』と別所くんは言った。
気をつけて見てみれば別所くんの言うとおりで、
お昼休憩や教室移動の時、一人でいる姿を度々見かけた。
女の子の問題はデリケートだ。
男が介入した方が、こじれる場合が多々ある。
だけど、一人で不安そうにしている時には声をかけるようになった。
それは僕だけじゃなくて、きっと皆もそうだっただろう。
時々思う。彼女の交友関係を壊したのは、
僕たちなんじゃないかって。]
(74) 2015/07/10(Fri) 19時半頃