かはははっ、うちん孫蹴りはった時は今思い出しても傑作やの。
[八重は晩婚晩産であった。それでも、縁談をかつて蹴られたのは、孫でさえも当時の隅慈の姫とは年が開いていた]
なんやなんや、流石にもう現役とはいえまへん。
やが、まるで小僧ドモのちゃんばらの様。
首そろえてるやつら、みーんな孫どころか曾孫の青さ。
あの西さんらしい花柳藤の子ぼんなぞ、やしゃごでもおかしゃない。
おほほほ、そりゃうちも迎えさん待たせとるわけじゃのぅ…。
[天下を分ける大戦に臨む、若い炎がたてる火の粉の足音がよく聞こえる。
ぽんぽんと、鞠付きの音の様に、時代の流れと共にその足音は聞こえるのだ。
やがて沢山の赤を吸いあげ育つであろう、関ノ原の桜を思いながら
老女の思いは過去へと馳せる… … …]
(74) 2015/05/16(Sat) 23時半頃