やー、アルヤス君
[振り返った相手にひらりひらりと手のひらを振る。
その表情があまりよろしくない>>66のを見れば、少年はむしろ楽しげに人好きのする笑みを深めた。
傍から見れば、ただ再会を喜んでいるように見えるだろう。
空の蒼と海の青。ふたつの色に挟まれた赤は、燃え上がる炎のように美しい。
美しい褐色の肌。
きらめく絹のような白金の髪。
――……ああ、もっと、 ]
会いたくないなんて、つれないことを言わないでよ…まあ、確かにこんなとこだけどさ。
お得意さんが長らく来なくって、寂しい思いをしていたんだから
[ははっ、と乾いた笑い声をあげて、彼の瞳をじっと見つめる。
腕の刻印の熱や彼の血統についてはわからない
けれど、海風が彼を撫ぜる度に、また彼が店を訪れる度に、感じる盗賊らしからぬ気品めいたものに、少年の心は焦がされていて、]
(73) 2014/12/26(Fri) 15時半頃