ー 朝 ー
・・・おはようごさいます
[ 顔を洗い、身なりを整える。
「城の外壁にある階段を昇って見る朝日は格別だった」だの「城の地下食料庫は庭に通じていて、よく一緒に抜け出た」だの、“僕”は上機嫌に思い出に浸る。
やや目を細めながら、窓から庭を見下ろした。]
想像してた以上に、素敵なお庭ね
[ 昨日庭で見かけたチャイナドレス。
顔は見えなかったけれど、彼女はきっと露蝶ではないかと、手紙を通じて得た友の事を考えた。
結局彼女と会ったのは、あの旅行の一度きり。
お茶をしたいと言った事を覚えているだろうか?
もし彼女に会えたなら誘おうと考えて・・・伺いに行くと悲しい目をしたセシルの顔を思い出す。
本当に話をする気なのだろうか?信じてもらえるのだろうか?
扉を開ければ、遠ざかっていく足音が。>>61
それはばたばたと走り回っているのだけど、オーレリアは使用人が慌ただしくしているのか、と首を傾げて、足音と反対方向に進んでいった。]*
(73) 2016/07/29(Fri) 22時半頃